コルニクス

「セル!?どこに行くの!?」

ステルラが私に問う。

「どことか分かんない!」

だってパクスに乗ったの今日が初めてなんだもん。

どこに続いているか分からない、たまたま目の前にあった階段をひたすらのぼる。

「…ハァ…ハァ」

階段が終わり、足が止まる。

行き着いた先は、重たそうな扉だった。

扉についているレバーを引っ張り、錠を外す。

案の定重たい扉を、体当たりするようにして押し開けた。

「重っ…」

扉は、空気に押されてさらに重くなる。

少しだけ開く扉の隙間から、青い青いあの空が顔を出した。

ってことは、扉の先は、屋上?

ガコンッ……

捨て身でタックルして、やっと全開した扉。

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