コルニクス

「わぁー…」

足元まで広がる空。

空といっても、たくさん並ぶアエタス・プーベースの腹の隙間から見えるだけだけど。

立っていられないほど突き刺さる風に耐えながら、
まだ息が整っていない状態で空気を多量に吸い込む。

ラピスラズリが3つ綺麗にはまった笛を口にあてがい、
…吸ったばかりの空気を、おもいっきり吹き込んだ。


ピュイイイイ──────


どこまでも澄んだ音が空気を震わせること無く、裂き、貫き、響いた。

「セル!中に入って!!」

しばらくの間感動に浸っていると、ステルラが後ろから呼びに来た。

「狙いの的になるでしょ!入って!!」

なかば強引に腕を引っ張られ、扉がガタンと閉まる。

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