コルニクス

「怪我ない!?」

「ないよ」

いつになく熱血なステルラに、つい笑顔で答えてしまう。

「大体、それ吹いてもバル兄ちゃんに聞こえるわけないし」

「聞こえてるよ」

「え?」

なぜかこれだけは確信を持って言える。

「こういう時に来てくれるのがクロでしょ」

「どこから来る自信よ、それ」

ステルラは呆れたように笑った。

その後小一時間。パクスは未だ飛び続けている。

パクスはただの母船であって、勿論武装はしていないから、太刀打ちできないし、
それほどスピードも出ない。

アエタス・プーベースに囲まれたら的が大きすぎて、墜落するのは時間の問題。

クロは来ない。

クリュさんも来ない。

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