コルニクス

このもくもくとした分厚い困難の雲をきりぬける方法が見当たらない。

まさに、絶体絶命。

私とステルラはあのあと、みんなが集まる2Fフロアに移動して、今に至る。

コックピットの扉が開き、ウィンクルムさんが険しい表情で出てきた。

「全員、いる?」

その言葉で、これから何か大切な話があるのだと、
私の背筋は、支柱にくくりつけられているかのようにピンと張った。

「クルシオの提案でさ、飛行艇でパクスから脱出しないかって」

場内が水を打ったように静まり返った。

飛行艇は、オプターレ、コルンバ、ステルラ・トランスウォランスの3機しか無い。

積んだ食糧や燃料は勿論持って行けない。

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