コルニクス
ボウンッ
と鈍い爆発音がしたかと思えば、
まばたきをした一瞬の隙に、私の見る世界は、赤く染まっていた。
赤というか、熱を帯びた夕日のような橙色にも似た朱色。
あわててみんなが目を剥く窓の外を見やると、
どこから発生したか分からない黒い煙が立ち込めていて、
シンメトリーの立派な翼を持った白と黒の色違いの鳥が、パクスとアエタス・プーベースの間の狭い隙間を流れるように飛んでいた。
「キュクヌスにコルニクス…!」
デンスが呟く。
クロ…?
クロが来てくれたの?
すべての光を反射するキュクヌス。
すべての光を吸収するコルニクス。
見た限り確認できたのは、それぞれが3機ずつ、計6機くらい。