コルニクス

ボウンッ

と鈍い爆発音がしたかと思えば、
まばたきをした一瞬の隙に、私の見る世界は、赤く染まっていた。

赤というか、熱を帯びた夕日のような橙色にも似た朱色。

あわててみんなが目を剥く窓の外を見やると、

どこから発生したか分からない黒い煙が立ち込めていて、

シンメトリーの立派な翼を持った白と黒の色違いの鳥が、パクスとアエタス・プーベースの間の狭い隙間を流れるように飛んでいた。

「キュクヌスにコルニクス…!」

デンスが呟く。

クロ…?
クロが来てくれたの?

すべての光を反射するキュクヌス。
すべての光を吸収するコルニクス。

見た限り確認できたのは、それぞれが3機ずつ、計6機くらい。

< 399 / 575 >

この作品をシェア

pagetop