コルニクス
ウィンクルムさんが痛いところをうまく穿つ。
「それを言ってくれるなよ」
クルシオさんも乗っかって楽しい会話になっているのに、クロにだけ壁を感じた。
違和感というか、温度差というか、
今日のクロはなんだか怖い。
壁といっても、西洋の城壁みたいな分厚い壁というよりは、お堀みたいな感じ。
向こう側は見えているのに、行くことはできない。
「よくこんな状態で飛び続けたよな、パクスも。半端無い生命力だな」
新しく話題を切り出したクロの目は、銃弾で傷ついたパクスの外装を見ていた。
「これからどうすんの?」
「ドラコを…見なかったか」
問いに問いを重ねるようにクルシオさんが聞く。