コルニクス

つまりは、今までの日常から逸脱したことに、空にも舞い上がる気持ちでわくわくしていたということだ。

案内されて抱いたイメージはデンスが言っていたような怖いところではなく、

どんなひどい生活を強いられるかと内心びくびくしていた私が嘘みたいに消え去る。

「最後に、ここが倉庫です。皆様の飛行艇はこちらにありますので、ご自由にどうぞ」

ラクリマさんがふわりと笑う。

たまにおどおどすることがあり、客人を案内するという仕事に慣れているわけではなさそうだったが、

きちんと丁寧な説明をしてくれた。

「ご自由にどうぞって、好きに飛んでいいのかい」

ずっと「すげー」しか言わなかったクルシオさんが質問した。

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