コルニクス

口論の末、私の主張はステルラに見事にへし折られ、

女性陣はステルラ曰く色合いの可愛らしい部屋、男性陣は窓の有る部屋に決まった。

「それでは、何かございましたらお部屋の通信機からお申し付けください。失礼します」

ラクリマさんがお辞儀をしてから帰っていくのを、私は数秒後に追いかけた。

「あの!ラクリマさん!」

部屋から少し離れた廊下でラクリマさんを呼び止めた私は、

規則正しい歩幅で進むラクリマさんが立ち止まって振り返るのを見て、駆け寄った。

「ラクリマで結構です」

「あ…じゃあ、ラクリマ」

「はい」

「クロってどこにいますか」

インフィニートゥム内を案内されている間ずっと探していた。

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