コルニクス

「下がりなさい!」

びくっと肩が上がってしまうほどの大きな声を女性が出す。

ラクリマは「…承知しました。失礼します」と言い、しぶしぶ歩いて行った。

そんな怒鳴らなくてもいいのに。

「いい?小娘」と、ステルラを越えたお嬢様口調で向き直る女性。

「あのお方は先週から一階級昇進して、大佐から准将になったの。
ちなみに今は元帥とアルデオ中将と遠征中よ。
准将にお会いしたいだなんて、口を慎むことね。
それくらいわきまえなさい?」

女性はカツカツカツと、高いヒールを打ち鳴らして去って行った。

…おったまげた~。

つい気迫負けしてしまったけど、言うだけ言って去って行く、すごい人だったな…。

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