コルニクス
いわゆるバイキング形式で、人々が自由に料理を皿に盛っていた。
とりあえず席を確保し、アンジェリカ夫人のことなど忘れたかのように
はしゃいで料理を取りに行くみんな。
私も料理を眺めながら皿を手に取った。
────────そのとき。
バンッ!!と、音をたてて何かが食堂の扉を突き破り、
ドンッ!!と、音をたててそれが柱に叩きつけられた。
ズズズ…と、柱を伝うようにしてそれが落ちる先、
つまり柱の下には……私がいる。
「え、わわっ!」
降ってくるそれは、人だった。
ゴンッ!!
またもや下敷きになった私。
「いって…」
痛いと口にした私の上に乗っている人は、淡くジャスミンの香りがした。