コルニクス

デンスが苦笑する。

「嘘でも好きだよとか言ってあげればいいのに」

「常に嘘偽りのない本心で臨むことが俺なりの最大の誠意だ」

何事もなかったかのようにタンドリーチキンにかぶりつくクロに聞く。

「追いかけないの?」

「うん。また傷つけるだけだしね」

真っ赤なタンドリーチキンは、おいしそうでそそられる。

「じゃあ私が追いかける」

「え!?」

追いかけてどうするのか決めてなかったが、なぜか思った。

追いかけたいと、追いかけなきゃいけないと、思った。

クロは着いて来ようか迷っている様子だったが、結局止めたようだ。

こういう時泣いてるであろう女の子が行くところは…トイレ!

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