コルニクス
そして人さし指をぴんと立てる。
「これは今現在、元帥に狙われているもので、セルの大事なものでもある。わかるよね?」
当たり前のように聞かれて少しイラっとくる。
「守りぬけ、と」
「そうそう」
…俺は、とんでもない爆弾を託されてしまった。
何かの鍵にしか見えないそれを、角度を変えて眺めてみる。
綺麗にはまった青い石の、ところどころに見られる金色の欠片が、トイレのオレンジのあたたかな光を跳ね返す。
「俺なら万が一死んでもいいやってことか?」
トイレの外に追っ手がいないか窺っていた男は、
「はあ?」なんて言って俺の問いを嘲笑った。
「クリュっちならできるだろって思えるからだよ」