コルニクス
少し狭めの応接室でラクリマが「まず、」と言う。
「お名前をうかがってもよろしいですか」
「ステルラよ」
「セルです」
名前を簡単に明かしてはいけないルナ・ファミリアの人たちとは違うから、
なんの気兼ねもせず答える。
「あと、あの…長身の男性は……」
だいぶ歯切れを悪くして話すラクリマ。
語尾は完全に聞き取れなかった。
長身の男性?
「クリュさんのこと?」
「クリュさん…」
いちばん背が高いのは、クリュさんだろう。
「名前はクリューソプラソス。
みんなはクリュとかクリュ兄とかクリュっちって呼んでるわ」
それがどうしたの?と、完璧にまとめるステルラ。