コルニクス

「ふっ、うう……ひっ…」

儚い光のひとつひとつが滲む。

瞬きながらゆらめく。

「うわあああああああーっ」

クリュさんとラクリマは、今頃どんな会話をしているんだろう。

気になるけど、聞きたくない。知りたくない。

星と夜空が、まざる。

「なに泣いてんだ」

ビクッ!!

肩が大きく跳ねたのが自分でも分かった。

驚きのあまり、涙が引っ込んだ。

「やっぱなんかあったのか?」

「クリュさん…」

そこには、ラクリマに告白されたはずのクリュさんがいた。

「俺じゃ力になれないことか?」

「……」

だって、自分でもなんで泣いてるのか分からないんだもん。

「…きれーな星だな」

< 480 / 575 >

この作品をシェア

pagetop