コルニクス
それで恋という選択肢を見つけて、私にあてはめちゃっただけだよ。
あんな可愛い子に告白されて。
恋を知らなさすぎただけだよ。
「…俺はお前のことを知りたいと思う。俺のことも知ってほしいと思う。
力になりたいと思う。守りたいと思う。抱きしめたいと思う」
そう言って、クリュさんは私をジャケットの上から包みこんだ。
最初は優しく、だんだん強く、最後はぎゅっと。
「それでも、恋じゃないっていうのか?」
耳元で囁かれたその言葉は、少し弱々しく感じ、なんとも熱かった。
夜風が冷たいせいか、耳にかかったクリュさんの吐息が、私の頬を内側から熱くする。
抱きしめられているせいか、体全体がぽかぽかする。