コルニクス
◇THIRTY-TWO
:Dens's eyes‡
湿っぽい空気。
雨の日の早朝。
「あっ!クリュっちおはよー」
「おはよう、クリュっち」
「え、何、…まさか」
そのまさかだよ。
「配達一緒に行こ!」
俺とオルビスを眼前に、がくりとうなだれているのは、
久しぶりの配達に1人で行くはずだったクリュっちだ。
クリュっちが今日の早朝に配達に行くという情報を入手し、
セルがなぜかいなかったためオルビスに伝えてみたところ、興味津々。
勝手について行くことにした。
「一緒に行こうって、お前らただの荷物なんだが」
あ、今日は機嫌がいい。
今の口調から、なぜかそう思った。
「俺の後ろに手紙乗せるーっ」
「じゃあ俺ドラコの後ろ乗るーっ」