コルニクス

クリュっちはそんな俺らを追い払おうとはせず、ため息をついてドラコに乗り込んだ。

やっぱり今日はクリュっちの機嫌がいい。

結局俺はドラコの後部座席に乗り、隣ではオルビスがコルニクスでスタンバイしていた。

初めてドラコがインフィニートゥムから飛び立つ。

空気が肌にまとわりつく。
雨音が耳にはりつく。

地上では雨が降っているのだろう。
雲の上を飛ぶ俺らには関係ない。

「しかし、すごい湿気だな。昨日の澄んだ空気が嘘みたいだ」

オルビスはそんな文句を言いながらも、気持ち良さそうに風を浴びる。

「ああ、昨日の星は綺麗だった」

お?

ロマンチストとは無縁のクリュっちが柄にもないことを言った!

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