コルニクス
◇THIRTY-FOUR
:Dens's eyes‡
「なぁ、オルビス知らねぇ?」
入口にもたれかかる、長身で腰の高いアルデオ中将は、いつも通りなんとも色男であった。
「部屋に引きこもって出てこねぇと思いきや、俺がトイレ済ませてる間に消えやがった」
元帥につかまって、さらに中将にまでつかまるのは嫌だもんな。
オルビスはセルに告白するって決めたんだし。
「そっとしといてやってください。あいつ今、男の戦いに出てるから」
「…何の戦い?」
「男、の」
「誰と戦ってんだ」
「強いていえば…自分?」
アルデオ中将は「ほぅ」と目を細めたが、納得しなかった。
「生憎今日はパトロール当番なんだ。さっさと始めねぇと風紀が乱れる」