コルニクス
「あんな高い空から落ちてきたんですよ」
そう言って、私は空を指さす。
大きな艦が飛んでいる。
「そうだ。あいつに落とされたんだ」
俺が高所恐怖症になったらどうするんだよ、と悪戯っぽく呟いて私の上からどく。
「そんな俺を受けとめたキミは大丈夫なの?」
青年は立ち上がって、手を差し延べる。
私に向かって───────
「大丈夫です…」
私は彼の手をぎゅっと握り、起こしてもらう。
すごく嬉しかった。
私に手を差し延べてくれる人なんていたのか…。
あ、彼は今会ったばかりで、私が嫌われ者だなんて知らないからだ。
知ったら…きっと──────。