コルニクス
まあ部屋に帰るとアンジェリカ夫人が待っているため、
本人はまんざらでもないらしいが。
「俺ぁこれでも20分程度寝坊したんだ、普段通り。
いつもならもっと早くにオルビスが乗り込んで起こしにくるんだが、今日は奴のほうが俺より怠けてる」
「だから、怠けてるんじゃなくて男の戦いに…」
そこまで言いかけて俺の両目に映ったもの。
男子部屋の入口にもたれかかるアルデオ中将の肩の向こうに窺えた不自然な動きをする物体。
オロオロと右往左往しているセルだった。
オルビスは告白したのだろうか。
セルは女子部屋の扉を開けようとしてまた止める。
なにしてんだ?と思ったときに、目が合った。
「デンス!」