コルニクス
セルがアルデオ中将の横をすり抜けて俺に飛びつく。
思った以上に必死でびっくりした。
「お、え?どした?」
「クロが…っ」
告白してきたんだな。
「クロがおかしくなった!」
「おいおい、人の勇気をおかしくなったで片付けるなよ」
ちょっと想定外なことを言われたからって人がラリったみたいな言い方…。
それでもセルは焦眉の急を俺に訴えてきた。
「クロがへたってなって、怒鳴って、嫌われて、避けてって頼んで…なんか、おかしかったの!」
…うん。
おかしいのはどっちだ。
普段の俺ならそう流しているが、
オルビスの決意を聞いたあとではセルのその救いを求めるような言葉を無下にできなかった。