コルニクス

でも観点や理由は違うものだった。

「説教がみがみ文句くどくどでやっとやってくれるのに」

今日は彼からすんなり、全部やっとくときた。

「働いていないと気が済まない、って感じだな」

男子部屋の奥からクリュっちがのぞく。

クリュっちの発言は、オルビスの像と一致しなかった。

「オルビスはそんなに仕事熱心な奴じゃ…」

「忙しいと考えなくて済むからだろ。何か忘れたいんじゃないのか」

何か忘れたい?
嫌なことがあったってことか?

「お嬢さん」

アルデオ中将が入口の柱に預けていた体をおこし、セルを見据える。

「話を聞かせてもらおうじゃないか。あいつと何があったのか、教えてくれ」

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