コルニクス

たくさんの机が並ぶ学校の職員室みたいな書斎で、オルビスを見つけるのは容易かった。

普通の人の2倍の書類に囲まれていたからである。

「おい、」

クリュっちがオルビスの後ろに立って若干怒り気味で声をかける。

オルビスは何も言わずに椅子ごと体をこちらに向けた。

「何があったか知らないけどな、そういうのを昇華って言うんだ」

「…は?」

「強い不満が働くとき自分の心を不適応や精神病から守る、誰の心にも備わっているメカニズム、つまり防衛機制の一種の昇華だ」

ぺらぺらとよくしゃべるなあ、今日は。

「…今の、何語?」

「フロイト心理学の重要用語だ」

なにこの2人。
話噛み合ってねー!

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