コルニクス
「…何が言いたいんだよ」
オルビスは明らかに不満を漂わせた口調で問う。
仕事を邪魔されたことか、
意味不明なことを語られたことか。
オルビスの心理は理解できるが、
クリュっちのほうは白旗だ。
「昇華は、良い"誤魔化し"だ。忙しく働いて、自分を誤魔化してんじゃねーよ」
「…分からねーよ」
「あ?」
「分かんねーだろ!クリュっちに俺の気持ちなんてっ!!」
オルビスはガンッと椅子から立ち上がり、
クリュっちの胸ぐらを掴んで壁に押し付けた。
…キレた。
書斎でオルビスがキレた。
「別に分かろうとなんてしてねーよ。そんなどこまでも自虐的な方法で、自分を壊す気かって言ってんだ」