コルニクス

「…何が言いたいんだよ」

オルビスは明らかに不満を漂わせた口調で問う。

仕事を邪魔されたことか、
意味不明なことを語られたことか。

オルビスの心理は理解できるが、
クリュっちのほうは白旗だ。

「昇華は、良い"誤魔化し"だ。忙しく働いて、自分を誤魔化してんじゃねーよ」

「…分からねーよ」

「あ?」

「分かんねーだろ!クリュっちに俺の気持ちなんてっ!!」

オルビスはガンッと椅子から立ち上がり、
クリュっちの胸ぐらを掴んで壁に押し付けた。

…キレた。
書斎でオルビスがキレた。

「別に分かろうとなんてしてねーよ。そんなどこまでも自虐的な方法で、自分を壊す気かって言ってんだ」

< 509 / 575 >

この作品をシェア

pagetop