コルニクス
オルビスがそんなクリュっちの言葉を鼻で笑う。
「クリュっちって人騙せないだろ」
…確かにな。
「分かったよ、きちんと伝えるよ。
…ところでさ、」
オルビスが椅子に座り直して俺らを見上げて言う。
「恋の効果的な忘れ方って何かな?」
いかにもセルとの恋が成就しないと分かっているかのような質問が飛ぶ。
クリュっちが俺を見る。
…え、俺?
「新しい恋…かな?」
そんな可愛い質問されたことないし知らないけどさ!
よく聞くじゃん?
「…成程」
「…流石」
クリュっちとオルビスに同時に言われたが、
咄嗟に答えた俺には何が成程で、どう流石なのかが分からなかった。