コルニクス

不意に聞くはずのない声を聞いた。

振り返ったそこには、いるはずのない人がいた。

「クロ…」

「やっぱクリュっちと同じ場所か~」

「え?」

なんか…いつも通りに戻ってる?

「クリュさんと同じ場所って?」

「クリュっちに告白されたんでしょ?ここで」

「な」

なんで知ってるの?

その言葉を喉につまらせる勢いであわてて飲み込む。

「…あれ、告白っていうのかな」

「でも、好きって言われたんでしょ?」

正式には、"きっと"がついていたけれど。

コクリとうなずくと、ニコリと爽やかな笑顔が返ってきた。

「じゃあ告白だ」

そう言ってコツコツと歩いてくるクロは、私の隣に来て柵に手をかけた。

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