コルニクス
そう言ってニカッとはにかむクロは、太陽の光を存分に浴びて、眩しかった。
笑っているため横に伸びた目は、光を受けて黄金色になっていた。
いつか見たその色は、覚悟を反射しているように思えた。
「デンス大先輩によると、恋を忘れるには新しい恋をするのがいいらしいから…まあ、気長に頑張るよ」
新しい恋!?
「って、誰と!!?」
「そんなん決まってんだろ…」
クロには向き合わなければならない人が、一人。
「アンジェリカ夫人…」
「セル、あの人に何言った?」
「え?」
「セルだろ、あの人変えたの。なんか使用人いじめなくなったし、図々しかったのがうじうじするようになった」