コルニクス
"好きだあああああああああ"
そう叫んだ、あの声と。
「クロ!!」
クロは今、元帥に呼び出されているはず。
元帥と何かあったんだ!
私は、窓から部屋に吹き込む風に押されるように走りだした。
部屋を出てすぐ見えた男子部屋は、扉が開いていてみんなが辺りを窺っていた。
きっと今の雄叫びが聞こえたのだろう。
「デンス!!」
「セル、どうしt」
「元帥の部屋どこ!?」
私の汗は堰を切ったかのように滲む。
運動したからかいた汗ではない。
恐怖したからかいた汗だ。
「なんで」
「いいから!」
デンスは「ついてきて」と言って脱兎の如く駆け出した。
「今の元帥の声なのか!?」