コルニクス
村の人々から忌み嫌われる苦痛は計り知れない。
「でもこの写真を見る限り、幸せだったようだな」
この写真とは、おそらく俺がだいぶ前に地上までシアンさんを訪ねたときに拝借した写真だろう。
窓から射す光が眩しくて見えないが、モルガナが今現在手に持っているのだと思う。
「もし、」
もし。
「その写真の、シアンさんの娘さんが、」
セルが。
「生きるあてがなく、僕たちの存在を知り、空まで訪ねてきたらどうしますか?」
彼女がシアンさんの娘だと知ったら。
「まあ、金くらいは出してやるさ」
「金くらいはって、あんた…」
「でももう遅い」
「?」
怪訝そうに眉が寄った。
遅い?何が?