コルニクス
「お前にもうひとつ謝らなければならないことがある」
元帥が俺のほうに向き直りゆっくりゆったりと歩く。
目の前まで来て止まり、目を細めて表情を渋くする。
「さっきお前が口にしたのはアーモンドチョコレートではない」
「…は?」
次の言葉に警戒しつつも覚悟していたのに、突拍子もない答えを吐かれて一瞬唖然とした。
さっきの緊張感を返せと心の中で口を尖らせる。
"私は昔から毒について学んでいて、収集もしていた"
「…!!」
ふとよみがえった、今しがたの元帥の言葉。
妙にマズかった、アーモンドチョコレート。
あれがアーモンドチョコレートでないとすると…。
嫌な予感が脳裏によぎる。