コルニクス
「カプセルをコーティングしたチョコレートだ」
でも、おかしい。
箱にはチョコレートが二粒転がっていて、
一つを俺が取り、もう一つを元帥が食べた。
「どちらか一方にのみウェールという粉が入っている…毒の一種だ」
もう分かったと思うが…と言って一歩前に踏み出す元帥。
俺の中は混沌としていて、この状況の受け入れ作業に手間取っていた。
「ウェールは人を死に至らしめるほどの猛毒。
つまり、私かお前、どちらかが数分後に死ぬ」
俺が食べたのは毒か否か。
そんなことは正直どうでもよかった。
俺が死のうと元帥が死のうと。
どちらにしろ俺は元帥に会えなくなる。