コルニクス

俺とこの男が共に歩む未来が消える。

それがどうにも許せなかった。

「私はそろそろ元帥を引退しようと思う。

あらかじめ遺書は用意しておいた。もしお前が生き残ったら、元帥の座を継げるようにな。

もし私が生き残ったら、そのときは私の信頼をおく大将に譲らせてもらうぞ」

「ふ…っざけんな!」

俺は元帥に掴みかかった。

目の前の父親の巨体はびくともせず、俺の力は虚しく働くだけだったが、
それでもそうせずにはいられなかった。

「なんで俺かお前が死ななきゃならないんだ!

元帥の座なんざいざとなったらどうでもいいんだよ!!

俺は死にたくないし、お前にも死んでほしくないんだよっ!!」

< 540 / 575 >

この作品をシェア

pagetop