コルニクス
俺とこの男が共に歩む未来が消える。
それがどうにも許せなかった。
「私はそろそろ元帥を引退しようと思う。
あらかじめ遺書は用意しておいた。もしお前が生き残ったら、元帥の座を継げるようにな。
もし私が生き残ったら、そのときは私の信頼をおく大将に譲らせてもらうぞ」
「ふ…っざけんな!」
俺は元帥に掴みかかった。
目の前の父親の巨体はびくともせず、俺の力は虚しく働くだけだったが、
それでもそうせずにはいられなかった。
「なんで俺かお前が死ななきゃならないんだ!
元帥の座なんざいざとなったらどうでもいいんだよ!!
俺は死にたくないし、お前にも死んでほしくないんだよっ!!」