コルニクス
「お前には父親らしいことを何一つしてやれなかったな」
「ちょっと待てよ、おい!」
誰に対しても時々敬語がなくなるのは、現在の俺が必死である証拠。
なんて冷静に分析できるだけ、大目に見てもらいたいが。
「まだ教えてもらいたいことはいっぱいあんだよ!!」
元帥は仰向けに床に寝転がり、半目開きで天井を眺めている。
「この前まであんなに欲しがってたニヒル・レーギアはどうしたのかとか、
なんで俺はクルシオに拾われたのかとかっ!」
悟ったような顔しやがって。
「あと、セルにも謝れ!!」
元帥の口から今もたれる血は、水溜まりを作っていた。
その口ももう動かない。
元帥は何も言わない。