コルニクス

誰かを呼んだほうがいいのだろうか?

…もう手遅れかもしれない。

医者に連れていくべきか?

…毒なんて医者にはどうすることもできない。

なら俺は、何をすればいい?

とりあえず現実を飲み込めばいいか?

それでこの男との思い出を引っ張り出して浸って。

表面的に悲しんでいればいい?

そしたらみんなからの同情も好奇心も疑いの目も、
一挙に集めて受け止めてしまおう。

それで、俺が新たに元帥となろう。

それでいい?

「よくない…」

全然。何もかも。

「待てよ…」

俺の言葉は、俺しかいない薄暗い部屋の闇に吸い込まれるようにしてさっと溶けた。

「まだ逝くなよ」

これからなのに。

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