コルニクス

「元帥…」

腹を叩いているうちに力がこもり、いつの間にか俺は元帥の腹をぽこぽこ殴っていた。

あんたはなんで、いつもそうなんだ。

最後くらい…

「父さn…」

「げほっ」

!?

耳をつけていた腹が一瞬盛り上がった。

…むせた?

咳こむはずがない元帥が、咳こんだ。

「参ったな…」

ついにはしゃべった。

「え、な…は?」

「すまん」

生きてんの…?
死んだあとなの?

力の入れ方を忘れてしまったように、身体中のありとあらゆる力が抜けた。

「知らなかったんだ」

おそらく生きたままであったであろう元帥は、
現状を把握できていない調子はずれな俺などお構い無しで語りだした。

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