コルニクス

さらに俺が元帥の座へ熱心な眼差しを向けているとなると、
大将らの恨み言が待っているのは明瞭だ。

今までだって立ちはだかった。

漫画の世界でよく見る、"ちょっと面(ツラ)貸せや"といったような出来事も、

変にいちゃもんをつけられたことも、

ありもしない事実を勝手に組み立てられ、噂が流れることも、

全くの他人の罪を擦り付けられそうになったこともあった。

それでも、俺はここまでやってこれたんだ。

世渡りがうまくても褒められやしないが、自分は助かる。

たくさんの苦難の壁をぶちやぶって乗り越えてきたのは、可愛い自分のため。

今回だって、大丈夫。

俺は何も、していない。

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