コルニクス
むしろ俺は怒っていい立場だ。
冗談にもほどがある。
命をかけたお遊びなんて度がすぎた真似、よくできたもんだな。
そう元帥に言ってすぐさま立ち去ってもいいはずだ。
なのにそれをしない俺は、世渡り上手とは程遠い存在なんだろう。
その命をかけたお遊びの結末に、驚愕か安堵か、腰を抜かしてしまった経験不足のお子様だ。
起こってしまった今回のことを、ただ経験値を奪って成長の糧とすることもできずにほうけている俺は、
いっそのこと気絶しといたほうが後々ラクだったかもしれない。
俺はなんとか立ち上がって、未だおぼつかない足取りで人のたかるドアへと進む。
「オルビス」
「今だけ一人にして」