コルニクス
時間がたって落ち着いて、やっと発した俺の声はひどくかすれていた。
とりあえず一人になりたいんだ。
頭の中を整理したいんだ。
俺は人をかき分ける気でいたが、勝手に道は開けた。
そこを進む。
すると、ふと目が行ってしまう顔があった。
セル、デンス、クルシオ…。
駆けつけてくれたんだ。
なんだその悲しそうな目は。
なんだその情けない顔は。
俺を思ってくれたんだろうけど、勝手に勘違いするんじゃねえよ。
大丈夫だから。
怪我もなにもないから。
お前らが心配する必要なんてどこにもないんだから。
だって、なにもなかったんだから…。
俺の顔はセルたちを見据えて自然に綻んでいた。