コルニクス

カレーにゴマドレはちょっとナイと思うけど｡

｢騙されたと思って食ってみろよ､一口｣

｢やだよ｣

｢じゃあセル｣

｢はひっ!?私!!?｣

ちょ､なんで私にまわってくんの｡

クロが｢ほら､あーん｣なんて言ってスプーンを差し出してくるから､
ついスプーンにかぶりついてしまう｡

嫌々味わった口の中で広がったのは､カレーの辛味と､ゴマドレのまろやかな甘味｡

ピコーンと音をたてて脳みそがパカッと開いた気がした｡

｢どう？｣

｢…おいしいっ!｣

｢だろぉ｣

｢え､信じらんね｣

青ざめるデンスに笑ったとき､

私の向かいの席に座っているクロの背後に､ファタ･モルガナ元帥が見えた｡