コルニクス

「あの、元帥。そんな顔で迫られたら怖いと思いますけど」

クロが敬語で辛辣な言葉を吐く。

「そうか、すまない。とりあえずひげを剃ってくる」

「いや、顔じゃなくて、そのすごむような態度の話ですから」

なんかクロと元帥、仲良くなった?

こう思うのは私だけだろうか?

元帥が少し落ち着いた様子でテーブルの反対側までまわり、私のすぐ横に来た。

「まさかシアンの娘がいるとは思わず取り乱した。すまない」

元帥が私にぺこりと頭をさげる。

お母さんの知り合い?

「あ、はい…」

「その足の話は本当か?」

「はい」

私が返事をした直後、元帥は床に素早く手をついた。

どっ…土下座ぁ!?

< 559 / 575 >

この作品をシェア

pagetop