コルニクス

これにはさすがのクロも驚いていた。

「申し訳ない。それは私のせいだ」

…はっ!?

「シアンが地上で幸せに暮らせぬよう、私がしたんだ。
まさか遺伝するとは思わなかった。
本当に申し訳ない」

「……」

いきなりすぎて、私の声は喉をゆらさなかった。

ファタ・モルガナ元帥と私のお母さんが知り合いで、
元帥がお母さんの足を土を枯らすようにして、
それが私に遺伝したってこと?

「解毒薬は今から開発する。
時間はかかるだろうから、それまで待ってくれ」

この足がなければ、地上の人たちに嫌われることはなかった。

家を手放さなきゃならなくなることも、村を追い出されることもなかった。

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