コルニクス
「いい。背負ってく」
背負うって…おんぶするってこと!?
「いやいいですそんな……い゙!!?」
クリュさんがよつんばいになった私の顔の前に背中を向けてしゃがみ、
私の両手を床から引き剥がし、自分の肩に担いだ。
そのときに動いた腰に激痛が走って、思わず吠えてしまった。
雑すぎやしません?
「今のは痛かったです…」
「それくらい我慢しろ、根性無し」
やっとのことで声を振り絞って言葉を発したのに、根性無しで片付けるのはひどい。
「お前の部屋どこ」
「あ、5Fのトイレの前って言われました」
「了解」
クリュさんが静かに歩く。
私の顔の横に、クリュさんの項(ウナジ)がある。