コルニクス
私は最初で最後の温かい思い出を、
忘れないよう、しっかりと記憶して、立ち上がる。
すらっとしてるのに,たくましくて、怪我をした大きな手。
はなしたときに、淋しさが手と手の間をそっと吹き抜けた。
……ん?
たくましくて怪我をした大きな手…??
怪我をした…手……?
彼の右手を見ると、血が流れている。
木で切ったんだ…。
「手、怪我してます!」
彼は自分の左手を見てから右手を見る。
「大丈夫。俺左利きだから」
そういう問題じゃない!!
「どうしよう…。あ、とりあえず傷口を洗わなきゃ!!
水…水…。川とかここら辺にないかなっ?」
「あ、ここら辺キミの地元じゃないんだ」