コルニクス
「だから、セルはパイロットになるの?それとも主婦になるの?」
「え…」
パイロットか、主婦?
何それ。考えてもみなかった。
パイロットになるなんて選択肢があるなんて。
「ここで生活するには、どっちかにはなるでしょ?」
「女の子でもパイロットになれるの?」
「もちろん。ステルラもパイロットだよ」
ステルラ…あの可愛らしい女の子が…?
「セルはエレベータの知識がもうあるからな。パイロットにむいてるかもしれないぞ」
クルシオさんが口いっぱいにピーナッツバターパンを押し込みながらモゴモゴ言った。
「でも、パイロットになるってことは、あの操縦席に座って自分の運転で飛行艇が動くってことでしょ?」
「当たり前だな」
クリュさんが突っ込む。
てか牛乳の飲み方、凛々しいんですけど。
「そんなこと、私にできるかな…」
「教えてもらって覚えて練習したらできるよ!きっと」
「できなかったり怖かったりしたら、主婦になればいいさ。
実際マレとサーナーティと子供たち以外は皆パイロットだしな」
主婦になれば…家事ができる。
女子力アップってところかな。
パイロットになれば…空を飛べる。
クロに会える確率アップだ。
「じゃあ、」
私は静かに息を吸った。
もう声が裏返らないように。
「私は…パイロットになりたいです」