コルニクス
だったら明日までに名前を暗記しないとな。
結局今日の訓練はあれで終了らしく、
ステルラが帰ってきたのは、晩ご飯の直前だった。
私は晩ご飯を食べ終えてから1人、屋上に出た。
鋼でできた板は真っ黒で、夜空を照らしている月の光さえ反射しない。
「スロットル、ラダー、エルロン…」
私は月の光を頼りに、おさらいする。
「エレベータ、トルク……ん?」
私の指はひとつの翼に行き着いた。
「えーっと…」
何だっけな、この翼の名前…。
「スランプ?トラップ?サランラップ?」
私の指はその翼に触れては離れ、触れては離れを繰り返していた。
「フラップ」
不意に後ろから聞こえたテノールボイス。