コルニクス
彼は辺りを見回す。
「地元も何も…あー私に家があったら休んだりできるんですけど!!」
「ん?家無いの?」
しまった…。口を滑らせてしまった…。
あ、だじゃれじゃないよ!?
「はい…。家は無いです…水探してきます」
私の家が無くなったのは、ついさっきの出来事だったりする。
村の人々は、いきなり私の家におしかけてきたんだ─────。
斧を持った男性。
吊り上がった眉。
怒りに満ち溢れた瞳。
飛び交う罵声、怒号。
私は咄嗟に母の形見である、鍵のペンダントを掴んで、外へ飛び出した。
それが、家とおさらばした瞬間。
私はとうとう、村から追い出されてしまった…。