コルニクス

ぼやっと光る月が、クリュさんの輪郭を浮かびあがらせる。

私の目にも映っているであろう月を背景に感じながら、
月よりもうんと近くにいるクリュさんを見上げる。

自分の目が輝いていると自分で分かるくらいクリュさんを見つめた。

「やだ」

えー。

「もう遅い。そして眠い。さらには寒い。そんでもって暗い」

あ…はい。充分すぎる理由ですね。

「鍵も閉めなきゃならないし、ほら行くぞ」

「は~い」

と、言いながら私はうなだれていた。

頭がいつもより重いせいか、首ががっくりと垂れ下がる。

なんでこんなに頭が重いんだろう?

「そんな落ち込むなって。
明日ステルラに飛び方を聞けばいいだろ」

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