コルニクス
クリュさんがそれをひねると、心地よい振動をお尻に感じた。
「あえてつけるとしたら"エンジンをかけるときにひねるやつ"だ。
エンジンをかけたり切ったりするときにしか使わないんだ」
え、それじゃ可哀想(笑)
空を飛ぶために最初にする行動なのに。
空を飛び終わったあとにする行動なのに。
「その出っ張りが可哀想に見えてきた…」
「なんで名前が必要なんだよ」
「呼べないからです」
「なら勝手に名前つけろ」
あれ?この展開……
クリュさんは説明を続け、飛行艇を操縦した。
機体が旋回しながら浮く。
「正常な旋回は左翼を下げて回る。
左翼を下げるには舵を左に切るんだ。
操縦桿を引くと上昇する」