コルニクス
私が大地を枯らすからだ。
仕方がないと割り切れるわけでもないけど、仕方がない。
私は土さんごめんなさい!!という気持ちで、できるだけ大股で走る。
大股だから、走るというか、もうジャンプしているような。
───────数分後。
水が……無い。
川も池も井戸も、無い。
「ねぇっ」
落ち込んでいると、後ろから強く張ったアルトの声がきこえた。
彼だ。
「ごめんなさい。随分と待たせてしまって…」
「空から探したほうが早いんじゃない?」
空…?
彼は黒い小型の飛行艇を頭の上に担いで持ってきた。
吸い込まれそうな漆黒。
左右対称の翼。
中央にはくぼんだ操縦席。
下には2つのタンク。