コルニクス
……別に忘れたいわけじゃない。
思い出したくないとは思った。
それは会えない現実が辛いから。
……じゃあ私はただクリュさんに八つ当たりしてるだけじゃん!!
私の頭の中でぐるぐるしていたたくさんの渦は何も解決しなかったが、
とりあえずクリュさんに謝らなくちゃいけないことは気づけた。
「あのっ…クリュさん、ごめn…」
「ちょっとちょっと誰!?
勝手にステルラ・トランスウォランス乗ってっちゃう輩は!!」
私の謝罪はステルラの声に掻き消された。
コツンコツンとヒールで鋼板を鳴らしながら、ステルラが近づいてきた。
「なによ、クリュ兄。どういうつもり…ってセル!?なんで泣いてんの?」